森からはじまる saburokuya

森と向き合う。自分と向き合う。

愛おしく

大学では土木工学を専攻していた。

東京で橋梁メーカーに就職したが間もなく退職し、ご縁があって青森に移住。林業の世界はそれからで、かれこれ10年経った。林業の「り」の字も知らないままこの世界に入ったのだが、専門書を読み漁ったり、自らチェンソーを持って山に入ったりして、少しばかりだが経験を積みながら林業を学んできたつもりだ。

 

現在森林組合では木材流通を主に担当している。

組合は、山主(組合員)の山林を預かり、代わりに間伐等の施業を実施することでその手数料を頂戴して、経営を成り立たせている(?)

したがって、山主さんとのやりとりのなかでは、山の仕事に境目などなく、もちろん植林もするし、間伐もする。

 

本業以外に毎年、自ら刈払機をもって、山主さんに代わって下刈をしている。

面積にすると約5ha。本業の合間にひとりでやるには少々大きい面積だが、

自分は面白くて仕方ない。

作業そのものは大変だけど、達成感というか、自分で育てた木々は愛おしく、

それがたとえ代行作業だとしても

その気持ちは同じだ。

 

問題が山積している林業界。

林業経営に関心のない山林所有者ばかりとされるが、

100年先の森は、最初の一歩がなければはじまらない。

今かかわる人が未来をつくる。

 

林業とは壮大な仕事なのだ。